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2015.04.23
4月5日、BLS(米国労働省)は、非農業部門の雇用者数が前月比12.6万人増加したと発表しました。この増加は市場の事前予想である25万人の半分程度。
円相場は一時、1ドル=118円台と、一気に1円近く上昇しました。発表後、一気に円高・ドル安に振れたものの、ドル買い需要も依然として強く、そのあとは上げ幅を縮小させました。
今回の市場予想値よりもはるかに下回る雇用統計結果は、驚きをもって受け止められ、米6月利上げ説は後退することとなりました。2月まで12か月連続の上昇を見せた唯一の好調指標である雇用統計の悪い結果は、米経済回復への懐疑心を一層強めることとなりました。
ただ、雇用統計は本来毎月のブレも大きい指標のため、今後は、インフレ率や賃上げ率など様々な経済指標を総合的に判断していくことが必要となってくるでしょう。
FRBの利上げの前提条件は「雇用の改善」+「物価上昇率2%」。物価上昇率はほぼ3年にわたって2%を下回っています。世界的に広がるディスインフレ及びデフレの波。その波に飲み込まれないように、FRBは物価上昇率に余裕がある状態での利上げを望んでいます。
物価上昇率の上昇のために必要な前提条件となる賃上げの素地は整いつつあります。失業率は5.5%と完全雇用状態とされる5%に極めて近くなってきており、労働者の獲得が難しくなってきています。全米自動車労組は業界全体の収益改善を受けて、今秋12年ぶりに賃上げ要求をする方針。また、ウォルマートストアーズ、ターゲット、マクドナルドなどが相次いで賃金引上げを表明。今後、他業種に広がっていくかが注目されます。
今回、衝撃が走った米雇用統計の結果ですが、それだけですぐさま米景気の不調と判断するのは早計でしょう。米利上げ時期として有力だった6月説は後退することとなりましたが、今後、雇用統計、物価上昇率を含め、総合的に判断していくことが必要でしょう。